ニコンのフルサイズ一眼レフ機はFXフォーマットと呼ばれており、2018年9月現在7機種がラインナップされています。
そのFXフォーマットのカメラでひときわ目を引く最も個性的な機種、それがNikon Dfです。その外観は銀塩時代のカメラそのもの。
このデザインだけで心惹かれてしまう方も多いのではないでしょうか。
現代風のスタイリッシュなデザインのカメラが並ぶ中、とかく角の多いデザインのカメラですが2013年11月に発売されて未だなおその人気は衰えていません。
人気の理由はカメラのデザインだけでは無いようです。今回はNikon Dfのお話です。
なにはともあれまずはデザイン
Nikon Dfはブラックとシルバーのカラー選択が出来、どちらもペンタプリズムを強調するようなとんがり頭が特徴的でレトロ感溢れる外観です。
そのペンタ部には貼り革があったり、メーカー名Nikonの文字も現在の斜体風ではなく昔のレトロな書体と筋金入り。
操作部について、カメラを上から見ると左手側にISOと露出調整ダイアル、右手側はシャッタースピード、撮影モードのダイアルとシャッター、電源スイッチに小さなサブ液晶が付いています。
シャッターボタンには押し出しケーブルタイプのレリーズが付けられるようネジ切りがしてあって、オプションでソフトタイプのシャッターボタンを取り付ける事も可能です。
ダイアル類の方は金属を削り出し加工したものに数字がちゃんと刻印されていて高級感がありますね。
シャッタースピードやISOが各々独立したダイアルで設定できるので、電源を切った状態でも設定を確認したり再設定したりする事ができて便利。
そしてこのDfの目玉の一つがニコンの非AIタイプのレンズに初めて対応した事です。
ニコンの素晴らしい所は昔から一貫してマウントの形状が変わっておらず、今でも昔のレンズが使用できる事にありますが、非AIタイプのレンズは露出計連動ガイドが無い為に絞りリングが露出計連動レバーに干渉して実際は使えないという事がありました。
Dfでは可倒式の露出計連動レバーを採用する事で非AIタイプのレンズも使用することが出来るようになったのです。
マニュアルレンズを使って絞りやフォーカスもマニュアルで行えば、気分はもう銀塩カメラです。このカメラのコンセプトは、古き良き銀塩カメラの操作感をそのままデジタルに・・というところでしょうか。
ここまでこだわると、フジのようなフィルムシミュレーションの機能が欲しくなる位です。
イメージセンサー
心臓部の方を見てみますと、まずイメージセンサーですがニコンDfの画素数は約1600万画素と今時のフルサイズカメラにしては画素数を抑えた仕様になってます。
実はこれには意味があって、かつてニコンのフラッグシップだったD3はフルサイズセンサーに約1200万画素を載せていました。
そのおかげで圧倒的な高感度耐性を誇り、ISO6400でもノイズはあまり目立たないうえ、感度を上げてもノイズが載りにくいという特性がありました。
D fも同様に、センサーの大きさに対して画素を抑える事で画素間の幅(画素ピッチ)に余裕を持たせ、豊かなダイナミックレンジと高感度耐性を実現しています。
実際、作例を見ても感じる事ですが、かつてのキヤノン1Dや初代5D、ニコンD3など画素ピッチが広いカメラに共通した数字には表せられない透明感のある作品がこのDfでも撮れるようです。
ISO感度は常用100~12800で、拡張設定により50~204800まで使用が可能。画像処理エンジンはD4と同じEXPEED 3を搭載しています。
オートフォーカス
オートフォーカスは39点、うち中央9点がクロスタイプとなっています。
ミラーレスでは無いので、フォーカスポイントは中央寄りの設定ですね。
連写速度は5.5コマ/秒ですのでフルサイズのデジタル一眼レフとしては並のスペックでしょうか。
ちょっと残念なのはシャッタースピードの上限が1/4000であるところ。頻繁に使うことは無いかもしれませんが、明るい現場でもう少し絞りを開けたいという時にフィルターで減光するより出来ればシャッタースピードで対応したい時もあるでしょう。
そういった時に意外と1/8000が使えて便利な事があります。次モデルでは是非1/8000に対応してほしいですね。
まとめ
レンズセットに用意されているキットレンズがが50mmf1.8であったりと、とことん銀塩カメラを意識しているNikon Df。
このカメラは今どき珍しく動画撮影機能は付いていません。
昔のカメラがそうであったように、あくまで写真機とし存在しています。
Dfのfは精密機械の感触と高品位画質の「融合(fusion)」を表すfであるとメーカーは謳ってますが、私はかつてカメラマニアの憧れであったフイルムカメラ、ニコンFシリーズのfと確信しています。
デジタル世代のFシリーズ。
そろそろ後継機が出てもいいのではと期待している筆者です。
ライター情報
ひろの ゆげのん
Instagramページ:https://www.instagram.com/yugenonrx/
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