キヤノンのフルサイズイメージセンサーシリーズは、現在プロ仕様の1D系、ハイアマチュア仕様の5D系、フルサイズ入門の6D系と3系統存在します。今でこそフルサイズセンサーの価格も落ち着き、各社フルサイズ入門?という系統もできましたが、そもそもキヤノンのフルサイズといえばEOS 5D。それはそれは高根の花だったのです。その5Dも代を重ねて今や4代目になりました。
2005年に初代5Dが発売になり、MarkⅡが2008年、MarkⅢが2012年、MarkⅣは2016年と、ほぼ3~4年周期で確実にカメラ機能も進化を続けています。さて、CANONの一般フラッグシップとも言える5DMarkⅣの実力やいかに?今回はCANON EOS5D MarkⅣのお話です。
イメージセンサー
今回の5D,まずイメージセンサーについて見てみますと、先代MarkⅢの有効2230万画素から有効3040満画素へと確実に進化しています。画素数だけでいえば、ライバルであるニコンのD750とD810の中間的な感じですね。しかしながら連写コマ数は7コマ/秒と、少し前のAPS-C高速連写機と同等の数字を叩き出しています。(ニコンD750は約2430万画素で6.5コマ/秒)画素が増えれば増えるほど画像処理に時間がかかるのは当然のこと。それを難なくスムーズに処理できるのは、新画像処理エンジンのDIGIC6+のおかげといえるでしょう。この新エンジンの恩恵は高感度性能にも表れていて、常用ISO感度は100~32000、拡張で102400を達成しています。まあISO32000は一応撮れますよ的な数字と思いきや、被写体を選びますが実際の作例を見てみると、意外と使える写真が撮れていたりします。最近の各社の「高画素で高感度」なカメラの流れにしっかり乗っている印象です。
さらにノイズを減らす為の新機能として、キヤノンはマルチショットノイズ低減機能を搭載してきました。一瞬、シグマSD QuattroのSFDモードみたいなものか?と思いましたが、露出を変えながらの合成では無く、普通に4枚撮ってノイズの出ていない部分を合成させていくような仕組みのようです。尚、この機能は残念ながらJPEGでしか動作しません。
もう一つ、高画質の為の目玉機能が「デジタルレンズオプティマイザ」です。この機能はキヤノンのカメラを使っている方ならご存知の方がたくさんいらっしゃると思うのですが、従来キヤノンの現像ソフトウエア「Digital Photo Professional」上で動作する機能でした。カメラ設定とレンズ(キヤノン純正に限る)情報から、入射光がレンズを通してイメージセンサーに届くまでに起こる諸収差などを計算して逆補正することで、レンズに入る前の”素の映像情報”に戻そうというシステム。ある意味このシステムは画期的で、例えば絞り込むことにより発生する小絞りボケも補正してくれるので、思う存分絞ることができたりします。これはキヤノンユーザーの特権ですね。
オートフォーカス
オートフォーカスについては61点高密度のレティクルAFⅡが採用されました。これはキヤノンのフラッグシップ機でありますEOS 1DX MarkⅡで採用されたものと同じものです。測距点は61点で、先代のMarkⅢと変わらないのですが機能アップを果たしてきました。
まず中央5点はf2.8対応のデュアルクロス測距に対応したポイントで、61点の内41点はf4.0対応のクロス測距ポイント。そして通常のAF精度では全点f8.0対応と、エクステンダーを装着して暗くなったレンズでもほぼAFが可能になっています。また、予測AFの機能もAIサーボAFⅢを搭載したおかげでいろんなパターンに対応できるようになりました。同じ動体でも線路を走る列車、上下左右に動く戦闘機、動きの予測が難しい野鳥などパターンはいろいろありますよね。MarkⅣでは「被写体が急加速・急減速する時」とか、「急に現れた被写体に素早くピントを合わせたい時」等、あらかじめ動体の動きを予測するためのケースパターンが6種類入っていて、これを用途に合わせてカスタマイズしていくことが出来ます。追い込んでいけばどこまでもハマってしまいそうな設定ではありますが、自分好みのカメラにしていくと思えば楽しく設定できそうですね。
ちょっとだけ残念。。
ちょっと惜しいのは、まず電源スイッチ。4代目になってもやっぱり電源スイッチは左手側なんだなぁと、まずここが残念ポイントです。ニコンやSONY、ペンタックス機のように、右手側に電源スイッチがあったほうが絶対使い勝手がいいと思うのは私だけではないでしょう。もし左手が使えない状況でいきなりシャッターチャンスが来たらどうします?私は左にスイッチを置くなら、昔の背面に電源スイッチがあった頃のほうがマシでだと思います。片手で電源ONから撮影までスムーズに行える配置にしてもらいたいですね。もう一つ、これはレフ機だと仕方ないのかもしれませんが、AFポイントがやはり中心よりになっていることですかね。最近のミラーレス一眼だと画面いっぱいにAFポイントがあり、より自由度の高い構図で撮影出来たり、動体もとりあえず画面内に入っていればAFが効いてくれたりするので、これに慣れてしまっているとちょっと使いにくいかもしれません。まあこれは5DMarkⅣに限ったことでは無く、最新のニコンD850でもそうなので仕方ないことではありますが・・
艶やかで透明感と立体感のある素晴らしい写真
実は私もしばらく5Dのお世話になっていたことがありました。もちろん、現行のMarkⅣではないのですが、初代5D→5DMarkⅡ→初代5Dと、2機種3台使っています。最初の初代5Dを中古で購入したのは約5年程前。当時私は7Dと20DというキヤノンのAPS-Cシリーズを使用していたのですが、とあるサイトで拝見したヤシコンの85mmf1.4プラナーと初代5Dで撮った写真にひきこまれてしまい、どうしてもその組み合わせを使ってみたかったのです。ライブビューなど無い機種でしたから、ファインダー覗きながらMFでピントが決まればホームラン。ほとんどがピンぼけ三振の中で凄いのが決まると、それはそれは艶やかで透明感と立体感のある素晴らしい写真が撮れました。ライブビュー搭載のMkⅡを使ってピンぼけ回避を狙いましたが、不思議とMkⅡで撮った写真は初代のクリアーさが無くなった感があり、また初代を買い戻したりしました。
今回の5DMkⅣの作例を見てますと、昔私が感じた数値では表されない初代5Dのクリアーさのようなものを感じます。まだ当分先になりそうですが、いつの日かまた、ヤシコンの85mmプラナーと併せて使ってみたいカメラだと思いました。
ライター情報
ひろの ゆげのん
Instagramページ:https://www.instagram.com/yugenonrx/
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