釣りの一つの分野である投げ釣りは入門しやすく、道具も多くを必要としないためファンが多いジャンルです。特にシロギスはその姿が美しく、数も釣れるとあって人気があります。しかし、一方では上手な人とそうでない人との差が大きく出る釣りでもあります。ほかの人は10匹、20匹とどんどん釣り上げているのに自分はわずかに2、3匹。その違いはなんなのでしょう。いくつかのパターンに分けてその原因を探ってみましょう。ここでは、エサについて解説してみました。
エサは新鮮なものを
シロギスのエサはムシと相場は決まっています。正しくは環形動物多毛類と呼ばれていますが、ムシの種類は多く、判明しているものだけでも8000種類以上あるといわれています。そのため、エリアによって釣りエサとしての実績や人気、呼び名はかなり異なります。また、釣具店で販売しているかどうかも大きな違いがあります。そこで、ここでは種類について言及するのは避けて、単にムシエサ一般について触れることにします。
原則として、ムシエサは生きているものを使用します。地域や種類によっては冷凍したもの、あるいは塩漬けを使う場合もありますが、例外としておきましょう。通常は当日の朝、または前夜に購入してそれを釣り場に持参します。ところが、釣具店で買ったばかりのときは元気がいいのですが、だんだん弱ってきます。ムシにとって住みやすい環境を整えるのは難しいからです。
しかし、元気のいいエサとそうでないエサとでは魚の食いは全然違います。人間と同様で新鮮な食べ物は美味しいし、古いものは食欲が湧きません。そこで、ムシの元気をできるだけ長く保つことを心がけなければならないのです。ムシの元気がいいとよく釣れるし、元気がないとあまり釣れない。そう思っていいでしょう。では、どうすればムシの元気を保つことができるのでしょう?
高温は苦手
ムシという生き物はほとんどが干潟に住んでいます。砂泥に穴を掘り、その中に潜んでいます(石の中、障害物の隙間に住んでいるムシもいます)。同じ環境を作ってやればムシはいつまでも元気な状態を保ちますが、まったく同じ環境というわけにはいきません。そこで、最低三つの条件を守ってください。一つは気温、もう一つは日光、三番目が風です。
シロギスのシーズンは平均すれば暑い時期です。真冬でも釣れる場所はありますが、一般的には5月から10月までとされています。したがって、気温は20〜35度にも及びます。ムシの生息環境からすれば明らかに高すぎますから、その高温下に放置していればすぐ死んでしまいます。
そこで、ムシエサを氷の入ったクーラーボックスに入れておき、少量ずつ小出しにすることをお勧めします。大小のエサ入れを準備して、小さい方には少しだけ入れて外に出しておきます。そうすれば大半のムシは高温の影響を受けずにすみます。クーラーから出している小さいエサ入れには少量のムシしか入っていませんからすぐに使い切って、悪影響を受けることはないでしょう。
ただし、冷やしすぎも禁物です。氷に接触させるとやはりムシは死んでしまいます。多くの釣具店ではムシを購入するとバーミキュライト(ヒル石)にまぶしてくれます。これは断熱効果があり、外気温から守ってくれるものです。
直射日光を当てないように
前述したように、ムシは水、砂、泥、石の中などで生息しています。そのため、生涯において日光を浴びることはありません。陸上に生活している生き物はあまり気にしないでしょうが、紫外線を代表とする太陽の光は日頃無縁の生活をしている生物には大きなダメージを与えます。ムシも同様です。クーラーボックスに入れておけば低温保持と同時に日光から守る効果も期待できます。小出しにするエサ入れも蓋付きタイプを選び、ムシを取り出したら必ず蓋をする癖をつけてください。魚を釣ることに夢中になると、蓋を閉めるのをついつい忘れてしまいがちになります。短時間だからと手抜きをせず、最高のエサを魚に届ける強い意識を持ちましょう。それが1匹のシロギスにつながります。
ムシにとっては風も大敵
ムシの元気を保つ三番目の要素は風です。ムシの表面は軟らかく常に湿り気を帯びています。つまり、乾燥を嫌うのです。水分を奪うのは熱と風です。クーラーボックスに入れるのは高温と同時に風からも守っているのです。また、エサ入れの蓋を閉めておくと日光も風もシャットアウトできることになるのです。さらに、このエサ入れの蓋はムシを雨からも守ってくれます。冷たい真水はムシに大きなダメージを与えます。
このようにみてくると、ムシは非常にデリケートな生き物であることが分かります。そのデリケートな生き物を守ろうとする努力が釣果につながると思ってください。
エサがなければ釣れません
ここまで説明してきたことから分かるように、エサは鮮度が非常に大切です。ところが、その大切なエサがハリから落ちているのに気づかない人が少なくありません。今さらいうまでもなく、投げ釣りでは重たいオモリを使って仕掛けを遠くへ飛ばします。そのときのショックは相当に大きなものです。2号や3号では道糸が簡単に切れるため、投げ釣りでは道糸の先端に力糸(テーパーライン)を用います。
このショックはエサにも伝わります。ムシを長く垂らしていると投入時に切れ落ちて、ハリには切れ端しか残りません。それではシロギスの目に留まるチャンスは低くなります。対象魚によってはエサを大きく使う必要もあり、その場合はムシが切れないようにふんわりと優しく投げなければなりません。
シロギス釣りではムシを長くする必要はありません。海底でエサを食べるとき、ムシは自分の穴から少しだけ頭を出しています。それを見つけるとシロギスはくわえて体を大きくくねらせます。それが大きなアタリを生むわけですが、ムシを大きくする必要がないことはこれでお分かりでしょう。ですから、エサは小さく切ってハリに刺します。垂らしは2〜3㎝もあれば十分です。
まとめ
エサを大切にするという意識はすべての釣りに共通します。エサは非常に大切なものなのです。そのことは皆さんよく知っているのですが、目の前の釣りについつい気を取られておろそかになってしまいます。この傾向は特にビギナーの皆さんによく見られます。いつも使っているから同じエサを使うというのではなく、いろいろなムシを試してみるのも必要です。常に新しい知識を仕入れ、新しい経験にチャレンジしてください。
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