サビキ釣りの代表的なターゲットは小アジです。この釣りは日本全国で親しまれているといってもいいでしょう。サビキ釣りを経験したことのない人はいないといってもいいほど広く普及しています。誰でも簡単に釣れて、しかもアジは美味しい魚の代表で、小さくてもみんなが喜びます。たくさん釣って帰ってもあっという間に食べてしまいます。ところが、簡単に釣れる反面、意外に気難しい面もあるのがアジという魚です。ほかの人は次々と釣っているのに自分にはさっぱり釣れないという場面にしばしば遭遇します。そんなときの解決策を紹介しましょう。
ポイントにはランクがある
小さくてもアジは回遊魚です。そのため、往々にして潮通しのいいところに集まってきます。といって、あまりに流れが速いと釣りづらいので、適度に速いところが好まれます。しかし、堤防でそのような場所はそれほど広くありません。それに、皆さんよくご存じのように好ポイントは常連がすぐ占領してしまい、一般の釣り人はなかなかそこには入れません。どうしてもそこで釣りをしたければ、午前3時とか4時という早い時間に釣り場に着いていなければなりません。
ファミリーやビギナーの釣りでそこまでやることはありません。したがって、ここではポイントのランクには触れないでおきます。釣れないという状況の打開策に絞って話を進めましょう。とはいえ、B級、C級ポイントでもまったく釣れないわけではありません。前述したようにアジは回遊魚ですから、回ってきては遠ざかり、また回ってきては遠ざかります。その回ってくる回数が多いか少ないかの違いだと解釈してください。
B級、C級ポイントで釣るためには
A級ポイントに入った人はよく釣れます。B級、C級ポイントに入ると回遊してくる回数が減りますから、当然アタリは少なく、釣果も少なくなります。そんなときどうすればいいのでしょうか。
ヒントを一つ提示してみます。サビキ釣りでは往々にして足元を釣ります。そこで、足元に回遊してこないアジを沖で狙い撃つのです。そのためには、遠投サビキ釣りという釣り方が必要になります。これはウキを使って沖を釣る方法です。沖といってもやたらに仕掛けを遠投すればいいわけではありません。潮目やワイ、合流点などの潮の変化を釣らなければなりません。そういうところはプランクトンが集まりやすく、アジなどの魚もエサを求めてそこに集まってくるのです。堤防ではなかなか潮の変化が生まれませんが、常に視野を広くして水面の変化を見逃さないようにしてください。
遠投サビキ釣りの道具と仕掛け
仕掛けを遠くへ飛ばすためには太い竿が欠かせません。また、アミカゴも大きめのものが必要なため、2〜3号の竿、それに中型のリールを使います。ウキも5〜8号を準備しましょう。この釣り方で注意しなければならないのはウキ下です。一般的に沖は足元よりも深く、探るタナは広くなります。それだけ手間もかかります。すぐには食ってくれないケースが珍しくありません。また、サビキ仕掛けを遠投すると絡みやすくなります。絡んだままではアジは食ってくれません。そのまま放置していると時間のムダ以外のなにものでもありません。ウキのなじみ具合を観察して、おかしいと思ったらすぐ巻き取って確認してください。
大きいアミカゴを使う理由は二つあります。一つは、仕掛けを遠投するためある程度の重さが必要だからです。足元を釣る場合は小さいアミカゴが定番ですが、その小さいアミカゴで遠くへ飛ばすのは不可能です。オモリを大きくして重量を増やすという方法もありますが、アミカゴを満タンにするとウキが沈んでしまう恐れがあるのです。
もう一つの理由は、マキエを効率よく効かせるためです。小さいアミカゴでは何度も同一地点に投入しなければなりません。遠投ではそれが難しく、大きいアミカゴにたくさんのアミエビを入れて魚を集めなければならないのです。それにともなって、アミエビの使用量も増えると思ってください。
サビキ仕掛けならなんでもいい…わけではない
サビキ釣りに使用するのはギジバリです。3〜8本程度を結んだ市販の「サビキ仕掛け」を用います。釣具店にはたくさんの種類が並んでいてどれを選べばいいか迷うほどです。朝の釣り始めは、よほど条件が悪くない限りどんな仕掛けでも釣れるでしょう。しかし、釣りを続けているとだんだん食いは落ちてきます。小アジは学習し、あるいは群れが遠ざかって数が減り、競争しなくなるからです。
活性が落ちると仕掛けの差が出ます。現在、サビキ仕掛けとしてはピンクのスキン(薄いゴム)がメインで、これは必ず持参しておきたい定番ですが、状況によっては白やグリーンがよく釣れる場合もあります。また、近年はウイリーサビキが登場してさまざまな色が使われるようになりました。自分が釣れなくて他の人が釣れている場合は、サビキ仕掛けの色を確認して同じ色を使ってみることをお勧めします。
大きいハリ、太いハリスを避けることも
マキエにはアジが集まり、水面近くまで浮いているのにサビキ仕掛けにはまったく釣れないことがあります。アジの動きを見ていると、アミエビを食べにきているのにサビキ仕掛けの手前でプイとそっぽを向くのです。明らかにギジバリを嫌っているとしか思えません。そこで、小さいハリと細いハリスに交換してみます。するとまた同じように釣れ始めます。このことから、活性が落ちたときは小さなハリ、細いハリスの方が有利なことがうかがいしれます。グレ釣り、チヌ釣りでもよくいわれるのですが、食い渋ったときは仕掛けを細く、小さく、軽くするのが原則です。これは小アジ釣りでも同様だと思ってください。
ただし、ハリスが細いとヨレやすくなります。絡んだときに解いても糸クセがつき、元のようには戻らないのです。それでは魚に嫌われます。切り捨てるか、仕掛け全部を交換するしかありません。
錆びたハリ、劣化したスキンはNG
小アジのシーズンは大体夏〜秋です。場所によっては年が明けても釣れるところがありますが、大半の釣り場は水温が下がると小アジの群れは堤防の近くから消え去ります。それでシーズンが終わり、使わなかった仕掛けはそのまま仕舞います。そして、次のシーズンが始まると再び出番が回ってくるというわけです。その仕舞っていた仕掛けはどんな状態でしょう? 釣り場で飛沫を被ったり、潮風を浴びていないでしょうか。パッケージに入ったままであっても海水の影響からはまぬがれません。しかも年月が経つわけですからゴムは確実に劣化します。その結果、ハリ先は錆び、スキンは劣化する可能性が高くなります。それでは釣れるものも釣れないでしょう。
古い仕掛けを使うときはハリ先とスキンをしっかりチェックし、問題があれば廃棄処分してください。また、釣り場では仕掛けにできるだけ潮風を当てない配慮が欠かせません。
ゴムが劣化してウイングが消滅してしまったサビキバリです。これでは小アジの興味を引くことはできません。
最近はウイングだけではなく、フラッシャーで魚の目を引くサビキバリも登場しています。
まとめ
簡単に釣れるときは仕掛けを放り込むだけで食ってくる小アジですが、ひとたび機嫌が悪くなるとなかなか掛かってくれません。しかも、みんな釣れないと我慢はできても自分だけが釣れないと頭に来てしまいます。今回は小アジのサビキ釣りでB、C級ポイントに入ったときの救済策、古いサビキ仕掛けや太いサビキ仕掛けはNGということを紹介しました。小アジが自分だけ釣れない理由はまだまだあります。〈小アジのサビキ釣り編 その2〉もぜひご覧ください。
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